朝日町の自立計画の実際は?

  合併した自治体も合併しなかった自治体も、まちの自立計画の具体化が大きな課題となっています。もちろん鳥羽市も。「自治体自立計画の実際を朝日町・御浜町に聞く」は、鳥羽市にも役立つヒントがたくさんありました。
朝日町長の報告―初対面の町長さんは謙虚で知性的な方、想像していた「やり手町長」というイメージとは大違いでした。


■有言実行の姿勢がえらい!
朝日町は人口7000人。今、国は人口1万人以下の町はなくせ、と言わんばかりの小さい町いじめ。普通なら合併に流れされてしまうのに町民は自立を選択したのです。町長は「それなら、よし、1万人の町にしたろやないか!」と計画します。
 町を元気にする4つの柱①役場②地区③教育④経済の活性化策を計画し実行に移しています。たとえば、地区―毎年1000万円を積み立てそれを地区に下ろします。みんなで地区5ヵ年計画を策定中で、住みよい地区づくりを実施します。
経済―町長は当選後、元勤務先の某大企業の工場を四日市市に誘致し、朝日町を住宅地にします。民間が開発造成した団地が売れ、昨年は0〜5歳児だけみても65人が増加しうれしい悲鳴。


■町長就任後の行財政改革報告をしているのがりっぱ!
     町民にきちんと以下のような実施報告をしています。

  【改革内容】           【効果】

<住民に関係する改革>
・各種補助金5%カット     →→→約400万円減額(平成16年度)
・役場組織の見直し       →→→行政サービスの向上(平成16年度)
(9課から5課に)
・乳幼児医療費無料化を就学前まで拡大→→→約500万円増額(平成16年度)
(4歳から小学校入学前まで)
・住宅促進条例の制定      →→→約600万円増額(平成17年度)
(新築住宅購入ー家屋の固定資産税相当分の
2分の1を奨励金として交付)

<役場職員に関する改革>
・三役給料30%減額      →→→約440万円減額(平成16年度)
・三役期末手当の率等変更    →→→約310万円減額(平成17年度)
・助役の廃止          →→→約1400万円減額 
・職員退職にともなう不補充   →→→約3440万円減額(平成16年度)
(職員15年・16年度末退職者8人)約3070万円減額(平成17年度)
・職員等旅費日当支給の廃止   →→→約120万円減額(平成16年度)
(出張時の日当廃止)
通勤手当2キロ未満の廃止   →→→約64万円減額(平成16年度)
・役場庁舎清掃委託料の廃止   →→→約84万円減額(平成16年度)
・町長車の廃止         →→→約50万円減額)     などなど…


■事務事業見直しの中で「拡大する事業」を明確にしているのがりっぱ!
見直しというと、今どこでも削る一方ですが、それでは町は活性化しません。朝日町は、「拡大(集中)する事業」があります。何か。増額は二つだけです。乳幼児医療費無料化と住宅促進奨励金です。若い世代の応援、確保です。初めに紹介した経済活性化にも直結しています。
 ☆鳥羽市も学ぶ必要があるのではないでしょうか。来年度から市が敬老祝い金800円の支給対象を65歳から70歳に引きあげることが話題になっています。「削る一方でいいのか。その分を子どものために使ったらどうか。それなら了解しよう」との多く声あり。市民の皆さんはえらい!だから、行革に市民代表、市民の知恵が必要なのです!


 ところで、朝日町といえば元鳥羽市議の小久保純一氏が公募教育長に選ばれたまち。私も期待していましたが残念ながら議会が不信任に。町長は「私の身代わりにしてしまった」と悔しそう。これに懲りて議員との意思疎通をはかっています。朝日町議会の議員は毎週月曜日に登庁し情報を仕入れたり議員活動をするのだそうです。すごいですね!それで、町長も議会に上がり、いっしょに意見交換をするのだとか。
 あの、鳥羽でも話題の人事院勧告による議員と三役の期末手当問題も、議員の中から「町長、議員の期末手当アップの議案は出さないでくれ。出してもどうせ否決するから」という声が上がったのだと町長はうれしそうでした。