視察報告②【住民参画と地域づくり】
■栄村。人口2,638人。面積は鳥羽市の2倍強。栄村における住民の行政参画は雪とのかかわりなくして語れない。今年は死傷者も出た。職員の多くが朝出勤前に雪かきボランティア。○道直し事業…集落内の村道は生命線であると同時に地域の共有財産としての認識あり、関係住民で検討し、総意で決定する。この計画に沿って、村と住民が共同し、除雪可能な幅員や局部改良を臨時職員であるオペレーターによって直営工事として実施。   
○げたばきヘルパー…山里に点在した集落で24時間体制による高齢者の安否確認と介護ができる体制づくりのため、ヘルパー養成。下駄を履いてても駆けつけられるように「下駄履きヘルパー」と命名。村内23集落をカバー。
○道踏み支援事業…高齢者の多くは、自力で自宅から除雪路線までの通行確保が困難な現状。郵便の訪問や通院にも支障が出る。これらの世帯を対象に、地域住民による「道踏み支援員」を派遣。降雪の都度、早朝に実施する作業は大変過酷だが、住民の底知れぬ相互扶助精神の表れと自負。平成16年度で支援対象は56世帯。道踏み支援員35名。出動のべ回数2364回。1名あたり平均68回。
泉崎村 
○土地販売促進…当初は全く売れなかった。危機感が生まれた。村は東京から約200キロ、村内を東北自動車道、JR東北本線が通るなど交通の利便性が高い。村長、職員総出で東京で誘致活動に走り回る。「村長、もっと頭を下げろ」というまでに職員の目の色が変わった。企業10社誘致に成功。捨てる神あれば拾う神あり、「貧乏な村」に行ってやろうという企業が出てきた。住宅販売も、職員のアイデアがきっかけとなった。通勤手当を300万円助成する「通勤奨励金制度」だった。「3年前倒しで夢の田舎暮らしを実現してみませんか!」と、村長、議長、職員、住民が銀座でPR。これがマスコミで取り上げられ大反響。軌道に乗った。 
○村の職業相談所…村に来れば100%就職斡旋を合言葉に、窓口を設けた。村長と職員が職業紹介資格も取得して対応。30㌔四方150社を訪問した。お願いされて企業も悪い気はしない、好感をもたれる。28名の紹介実績。
○職員は朝5時から雪かきボランテイァ。「孫の手サークル」○健康事業で昨年厚労大臣賞も受賞。○保育料・幼稚園料など住民サ−ビスをいっさい値上げしなかったことが私の誇りだ。それでないと何のための財政再建かということになる。保育料は国の標準の0,4で安い。ゼロ歳児保育も実施、待機児ゼロ。幼稚園料は3000円だ。○奨学金制度も設置、4年で36名が活用した。○財政力指数は0,46→0、59へ。経常収支比率は72、6%。「こんな財政再建に転落した貧乏な村でもこれだけの住民サービスはできる。問題は金がないのではなくやる気がないとうことではないか」村長の言葉は説得力があった。
 情熱と工夫に圧倒される思いでした。これも住民の立場に立ちきる姿勢から生まれる!これに尽きます。


会場は立錐の余地もないほどで、テレビ取材も入り熱気の中進行。