伊良湖−鳥羽へ 古代からの鷹渡りルート〜

伊良湖−鳥羽へ 古代からの鷹渡りルート〜

7日、「鳥羽自然と環境を守る会」が
行者山への風力発電計画に反対する陳情をしました。
市長への直接陳情は初めてです。
市長は、2点、回答しました。
①会が指摘した諸問題について各課に精査するよう指示したこと。
②地元2町内会の住民と市が一同に会した話し合いの場を設定したい。


当日は、反対表明されている日本野鳥の会三重県支部の事務局長さんも
同席され、現状を訴えられました。(私が記憶に残った点を少しご紹介しますと)


伊良湖の鷹渡りは有名で、
伊良湖では前夜祭がありお祭り騒ぎになる。
「鷹一つ 見つけてうれし 伊良湖かな」芭蕉の句にもあるように
伊良湖から鳥羽は、古代からのルートであること。
伊良湖岬を飛び立ったサシバは、神島、菅島、そして、安楽島半島に上陸し
行者山周辺で上昇気流を取り、朝間山から伊勢藤里方面へ飛び去る。
人の目から見れば、安楽島と行者山は離れていると思うかもしれないが
サシバにとってはひとっとびに等しい。


バードストライク(風車に鳥が衝突)は
鳥が防げるものではなく、気流に吸い寄せられてしまうと言われている。
業者の調査はたった5日間だけの飛翔目視調査と古巣を探した調査のみで
繁殖期の調査は全く実施していない、極めて不充分である。
(これは環境省も同じ指摘をしています)……


私は、お話を聞いて、ますます
「古代からの渡り鳥ルートを守りたい!」
そんな気持ちでいっぱいになりました。同時に
「渡り鳥の鳥羽」を
もっと、もっと、鳥羽の観光イメージとして打ち出せるのではないか。
そんな夢もひろがりました。
(現在もバードウオッチング神島ネーチャーアイランド行事あり)
自然豊かな鳥羽、その象徴として「渡り鳥」
素敵じゃないですか。
(いったい、大型風車にどんなメリットがあるというのかしら…)


数年前、教育委員会の郷土学習教室で
神島に渡り、先生の声に導かれて
初めてサシバとアサギマダラをこの目でみた感動
今も忘れられません。
鳥羽の観光資源のダイナミックさに
心躍る思いでした。
観光客も私と同じように心癒されることでしょう。
   

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

日本野鳥の会三重県支部支部報「しろちどり」を拝見しました。
鳥羽市行者山に建設予定の大型風車について」という記事が掲載されています。


渥美半島から志摩半島にかけては渡り鳥の重要なルートです。
このルートにはサシバ、ハチクマ、ツミなどの猛禽類のみでなく、
ツバメ、ヒヨドリ、カケス、メジロ、クロジなど多くの中小の鳥類も渡っています。
このルート上の鳥羽市、伊勢志摩スカイラインに隣接する標高309mの行者山に
鳥羽ウインドファーム株式会社が大型風車3台を建設し、風力発電を計画しています。


もとより、風力発電は排出二酸化炭素を削減する手段の一つであり、我々も歓迎するものですが、
国内でもまた海外でも環境、とりわけ野生鳥類への影響が懸念され、
建設地は慎重に選ぶべきであるとの意見が大勢を占めています。


今回の建設場所は日本でも有数の渡り鳥のルートであり、
当会社の行った2005年秋の猛きんの飛翔調査(10月3日から7日までの5日間)でも
サシバ、ハチクマ、ミサゴ、などが数多くこの地点を通過していることが明らかになり
当該建設予定地は猛禽の秋の重要なルートであることが判明したと考えざるを得ない結果になっています。
特に秋の渡りには海を超えた鳥が上陸し、休憩する
あるいは山の斜面の上昇気流を利用して高度を稼ぐ重要な地点だと考えられます。

(中略)


今回の調査に付け加え、今回はまったく調査されていない
①小鳥類の渡りにたいする影響
②秋遅くにわたるツミ、ハイタカ類にたいする影響
③春の渡りに対する影響
④繁殖期の鳥類に対する影響
を考えると支部はこの計画に反対せざるをえません。
風力発電は渡り鳥の重要なルートや重要な鳥類の棲息地をはずして建設すべきであると考えます。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□