開発申請の事前協議これでいいのか

住民と市の利益を守る 行政の一番の仕事ではないのか  
 私の自宅の近くで住宅団地の開発計画があります。住民説明会でみなさんから、雨水・雑排水の終末処理について不安の声が相次ぎました。早速現地を調査しました。雑排水等を、団地下にある農業用溜池に放流する計画ですが、溜池の強度について、現況のままでは非常に心配です。また、溜池の下の荒廃農地の下にある住宅地では、上で開発が行われるたびに、台風や雨で側溝から水があふれる事態がひどくなるといいます。水路の容量が耐えられるのか、これも問題です。

 当然、この二点は事前協議事項だと思いました。ところが、まったく記載がない、協議事項ではないと判断したというではありませんか。驚きました。災害が起これば住民の安全はどうなるのか。市も新たな財政負担が生じます。その根拠を質しました。「現地を目で見て問題なしと判断しました」と課職員の回答。しかし、課長は
「以前から懸念していた箇所なので、早速、現地を見てきます」と。

 さて、その結果です。①現在も溜池の排水口がつまり調整機能を果たしていないことが判明。だから下の住宅地で水があふれた。改善策が必要。②用悪水路の容量が大丈夫か設計計算が必要、という結論を得た。協議事項としますとの報告でした。
 すぐ改善したのは当然です。でも…複雑な思いです。まったく不安になってきました。開発申請では、まず現場を複数の職員で調査した上で協議事項を検討すべきないのか。これで、市の利益は守られるのか。


 住民の一番の不安が協議事項から抜けたため、業者の説明に対して、住民は納得できず苛立ちました。紛糾を受けて、町内会役員さん方がすぐ市と協議するなど努力していただき、市も是正しました。住民のチェック力がものをいいました。それがなければどうなっていたのか。

 住宅開発は市にとってうれしいことです。でも、それは、後々、住民に不安を残さないもの、市の利益に沿うものでなくてはなりません。市の行財政改革の角度からも検討が必要だと思うのは私だけでしょうか。