松尾第2期工業団地

フッ素基準値超える検出で進出予定企業撤退とは!

 
 市は、松尾第2期工業団地の土壌調査でフッ素が検出された問題で、9月から10月に、周辺の民家の井戸、水路、河川、調整池の水質検査を実施しました。4日、その結果が議会に報告されました。やはり、再度、基準値を上回るフッ素が検出される厳しい結果でした。これにより、進出が内定していた企業も撤退。もう、切歯扼腕の思いです。ざっと、4億3千万円もかけた事業だというのに。おまけに、98年に完成以来、毎年1千万円近い利子払いを続けてきたのですから…。
 

これを受けて、市は、フッ素の基準値超過の原因として、蛇紋岩の地盤の上に鉄鋼スラグを使用し、雨水が鉄鋼スラグの層に浸透し、調整池にしみ出していると考えられるため、団地内全面にアスファルト舗装をし雨水を防ぐ。調整池の清掃を行い、監視を継続する。また、原因究明と、損害賠償についても検討していくと今後の対応を説明しました。アスファルト舗装工事費用は、全面1万3400平方kmを対象に実施し2600万円以上と回答。


・果たして、アスファルト舗装は効果があるのか。・責任はどこにあるのか。原因解明と責任の所在を明確にしなくてはならない。・公金投入は市民に対して実被害を与える異例の事態であり、原因解明をして、説明責任を果たす必要が生じた。当然、損害賠償を求めるべき。……私はじめ各議員から指摘が相次ぎました。市長は、議会や地元、関係者の意見を聞き、対応策を精査していくとしました。


<検査結果>
1、周辺民家の井戸13箇所(3回実施)   すべて基準値以下
2、周辺水路(2回実施)             基準値以下
  調整池(2回実施)  1,5mg/1(基準値の1.9倍)
  加茂川放流口の上流(松尾橋)(2回実施)   基準値以下
  加茂川放流口の下流(神社橋)(2回実施)   基準値以下
3、調整池 (2回実施)  0,95mg/1(基準値の1.2倍)
調整池側壁からの侵出水(2回)1,8mg/1(基準値2,3倍)
  観測井戸(2回実施)             基準値以下
  ※フッ素の水質環境基準値 0,8mg/1


なぜ、計画よりも、1,5mも深く掘り下げる必要があったのか
その部分に「鉄鋼スラグ」を使用する必然性があったのか


 工業団地は蛇紋岩の山を削り造成されました。なぜ、当初計画を履行せず、予定より1,5mも深く掘り下げる必要があったのか。さらに、なぜ、その部分に「鉄鋼スラグ」を使用する必然性があったのか。そもそも、問題の発端はここにあります。

 団地の完成は平成10年、私が議員になったのが平成6年。当時、確か、市が地元付近住民に工業団地建設の説明会が開催していた記憶があります。「住工混在の解消」が工業団地建設理由なのに、どうして、建設地のすぐ裏が住宅(畑茶屋)なのかというご意見もありました。
 

 当時、ある市民から、見出しの2つの疑問・指摘が幾度も寄せられました。まだ、未熟な新人議員でしたが、指摘のたびに公社に出向き事務局役員に説明を求めました。記憶をたどると、その回答は「鉄鋼スラグは国が安全としたもので全国で使用されている。計画のわずか、1,5m降り下げるだけで問題はない。路盤材で安定する」の繰り返し。 結局、工事は続行しました。
 ちょうど、鉄鋼スラグなどの産廃リサイクル品が注目を集めていた時代が背景にあります。今からすれば、極めて、的を得た市民の指摘でした。