農業振興 今後の具体化に期待!

ファーマーズマーケットを市として整備していきたい」市長


 一般質問が終了。今、「幸子だより」を仕上げてほっとしています。
今回は総選挙後の限られた日数のなかで、農業問題に取り組みました。
農業問題は駆け出しの頃、電気柵への補助を取り上げて以来です。
当時、「なぜ、隣の町には補助があるのに鳥羽にはないのか」
農業者の疑問の声…。調べてびっくり。ないのは鳥羽だけ。
それで、議会で質し、実現しました。
当時の担当者は「鳥羽では効果が出ないのでは」と私に疑問を投げかけましたが、今、こんなに大きな力になっているではありませんか。
「担当者のいうことを鵜呑みにしてはいけない」今となっては勉強になりました!ですが。
「たより」からご紹介します。
詳細は12日の13時半、19時半からケーブルテレビ放映がありますのでご覧ください。

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私の一般質問のポイント


早朝、乳母車を押して畑に急ぐ働きものの鳥羽のおばあちゃんたち、夕暮れ、その後姿はなんとふっくりと満ち足りていることでしょうか。私は、自然相手に働くこんな農家のおばあちゃんたちが大好きです。可愛がってもらった自分の祖母の姿がだぶるからかもしれません。
 いつか、農業振興についての質問をしたいと願ってきました。でも、それは、なかなか難しいテーマでした。米の生産調整、自給率50%という国の農政のもとで、農業者自身が希望をもてない現実があるからです。
しかし、だからといってあきらめていいのか。同じ条件のもとでもがんばっている先進自治体もあるではないか。鳥羽の農業はこの程度だと思ってしまっていいのか…。今回、私自身、自分を鼓舞して農業質問にチャレンジしました。
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  市の最高の上位計画である「第四次鳥羽市総合計画」(以後「第四次」)は、来年2010年で終えます。新しい第五次計画を策定する上で、「第四次」の検証が大事であることはいうまでもありません。そこで今回は市行政の遅れた分野になっている農業振興について質問し、あわせていろいろ私なりの提案もします。鳥羽市の農業を発展させるためにどうすればいいのか、一緒に考える質問にしたいと思っています。
 まず本市の農業についての位置づけです。農林業は「第4次」の「活力と飛躍」の方針のトップに座っています。問題は、それにふさわしい行政であったのかどうかです。
 


■税務課長に聞きます。本市の農業所得の税務申告額、どれだけになっていますか。
≪答弁「平成20年度の農業所得申告は336戸からありましたが、総額でマイナス2866万円です」≫
■なんと、納税額ゼロです。10年を費やして何をやっていたのか。鳥羽の農家のみなさんを農業で暮らせる水準に到達させられなかった。総合計画は達成どころか、逆にマイナス数値になった。まずそこを直視し、担当した行政として反省すべきではありませんか。
【私はこう指摘し、各地の先進例も紹介しながら、いくつかの打開策を提案しました】
 

佐賀県武雄市。ここに私もえっと驚く「レモングラス課」という課があります。レモングラスというのはハーブの一種です。いのししの嫌う忌避植物です。私が、武雄市が偉いと思ったのは、農家に向かって行政がやってくれ、と提起するんではないんです。行政がみずからやるんです。担当になった新任課長は、みずからタイまで行ってオーガニック工場で一週間研修を積んだ。課長は「農家にはやって見せて一緒に汗をかいて理解してもらった」と言っています。鳥羽市として、いま、最も学ぶべき姿勢ではないでしょうか。
結果どうなっているか。耕作放棄地や遊休農地を活用して栽培を始め初年度で反収200万円。二年目にはハーブのところてん、プリン、入浴剤まで商品開発して東京のデパート伊勢丹のハーブコーナーに進出した。課長は「農家の人たちと一緒に夢を見ている」と実に明るく抱負を語っています。当然、市の税収も増えました。行政が農家にやってくれと頼むんではない。自分でやる。ここがミソです。
 

■事前の聞き取りでも、農業係は「地域で集団でやってくれと頼んでもなかなか乗ってもらえない」と嘆いています。ここには、制度の説明するのが行政の仕事で、あとは農業者がやるかどうかだ、こういう姿勢です。そんなことで、
自ら策定した総合計画は達成できるのですか。農家に投げているだけではだめ。

いま成功している全国の先進事例は、全部、行政が先頭に立ってとりくむ事例なんです。鳥羽のブランド化では観光戦略室のトバーガーがあります。農業係も意欲を燃やして鳥羽ならではの新ブランドをぜひ探求してもらいたい。7月からは観光課が独立し農水商工課になって動きやすくなったはずです。農水課にその情熱と覚悟、ありますか。
≪答弁「がんばります」≫


■オバアチャンの店、しおさいや今浦、相差などの朝市も貴重です。市民や観光客も生産者の皆さんの笑顔に元気づけられています。最近では加茂に前の農水課長が手がけた無人販売所の例もあります。まだスタートして二ヶ月足らずなのに月に3万円の収入になる農家もあるそうです。これなども新しい動きではないですか。新しい芽として行政の積極支援が必要ではありませんか。
≪答弁「協議し行政にできる支援をしていきたい」≫


■観光課長に聞きます。後期基本計画は、農林業と観光との調和の推進をあげています。課として、今後の方向をどう検討していますか。
≪答弁「計画では朝食による旅の魅力アップが課題の一つです。朝食のサラダ、漬物などに鳥羽の野菜を使うよう検討していきたい」


■鳥羽の農業を振興するためには地産地消が欠かせません。学校給食への農産物使用については20年の3月議会で質問し、教育長は積極答弁しておりますが、その後、どのように進展していますか。今後の方向は。
≪答弁「特別給食にオクラを使っています。今後、玉ねぎ、大根、人参、ジャガイモ、サツマイモも使っていきたい」≫

玉城町の例を紹介します。農業の盛んな玉城町でも、ほうれん草など野菜の一定数を地元農家が供給し、その残りを近隣のJAから仕入れるしくみとか、工夫をこらしています。
 【お米も三重県給食会の統一ではなく、地元産、以前にも世古議員が地元の珠光を使えないかと提案したことがあります。価格の面で実現していませんが、コスト主義だけでなく、食育をポイントにした行政も大事ではないかと提案しました】


■「続けられる農業の確立」のポイントのひとつが有害鳥獣駆除です。鳥獣被害が営農意欲を喪失させています。あまりのひどさに耕作を放棄した農家さえ出ている事態です。なぜ対策が進まないのか、実際に駆除の現場にいる猟友会関係者にお聞きしました。市の補助金では猟銃の弾代もでない、これが現状だそうです。
 他市を調べて驚きました。鳥羽市は委託料のみ50万円。志摩市は猟友会への委託料71万5千円、このほかにプラス報奨金81万5千円。南伊勢町は委託料100万円、報酬費465万円。これだけ農業者の皆さんが困りはて耕作もできないという事態なのに、近隣の市町に比較して鳥羽市の落ち込みはどうですか。これで、続けられる農業の目標達成できるのですか。
≪答弁「今後、力を入れていきたい」≫

(鳥獣被害は山の手入れがされないため木が伸びすぎその枝を動物たちがエサにできない、下草も生えないなどが一番の原因。人間の責任です。動物と人の住み分けができる環境づくりが求められます)


「農業をやれていないことを痛感していた。いい質問をしていただいた」 


市長は「農業をやっていた身にかかわらず農業をやれていないことを痛感していた。前向きなアイデアでいい質問をしていただいたと率直に思う」と答弁。「あぁ、真摯に受けとめてくれたんだ…。これは一歩進むかもしれない!」努力が報われた思いがしました。今後の具体化に期待したいです。
・「ファーマーズマーケットを市として整備していきたい。生産者が気軽に出せる場所、売れれば作る人も増える」
・「地産地消は量が少ないからやらない、のではなく給食は一週間に1回は地元農産物を使う姿勢でやりたい」