「文化力」ってすごい!

 今日は鳥羽商工会議所の新春講演会に参加させていただきました。今年のテーマは「文化力を生かした街づくり」、講師は文化庁寺脇研文化部長です。なんともタイムリーな企画!しかも文化庁です!鳥羽市の観光施策は従来のイベント活性化から「エコミュージアム構想」に大きく舵をきりました。地域の歴史・文化を掘り起こし、「みなとまち文学館」「浦村の歌碑」「相差の石神さん」…等々を整備してきました。それは、地元市民の郷土愛を呼び覚ましています。地元はもちろん、商工会議所、商工観光課ががんばってくれています。そして、今度は鳥羽小学校の活用方法が焦眉の課題です。日和山埋蔵文化財の発見もあり、鳥羽市としてまちづくりに「歴史文化」をどう位置づけるのか、実は、とても大事な所にいるのです。(ちょっと後ろ向きに言うと、これまであまり力を注いでこなかったということ)
 ところで、今日の講演は、中村幸昭会頭が寺脇文化部長さんと某シンポジウムの席で意気投合し実現したのだそうです。やっぱり、会頭の存在は大きいですね。さて、今日の講演のエッセンスをご紹介しますと…文化庁長官の河合隼雄氏が「経済力、政治力」に加えて第3の「文化力」を提唱した。福岡に九州歴史博物館がオープンし、九州と中国や韓国との歴史、文化のかかわりを作品で展示している。予想をはるかに超え、一日1万人もの人が訪れている。韓流ブームは、単なるミーハーブームではなく、韓国の文化にそれだけの力、魅力があったこと、そして、日本人の中に、その魅力を受け取る力があったことで成立している。戦後60年経つが、もし、現在のように、韓国やアメリカと文化交流し、互いの歴史や考え方を理解しあえていたら、時代はどうなっていたか(変わっていたかも知れない)。文化は、政治力や経済力を調整する力をもっているのではないか。
 バブル期、美術館や音楽ホールなど箱物が建設された。しかし、それは手段であって目的ではない。目的は、住民が芸術で心豊かになるということでないか。鳥羽小学校も、何をやるか、何に使うか、が目的ではないか。…
 「文化」の基本を、わかりやすく話しされました。もう少し、学術的な面白いお話も聞いてみたかったので、ちょっと残念でしたが。鳥羽小学校については、行政の方に混乱があり、「目的」に向かっての豊かな市民議論が遅れているのは確かです。行政と議会がしっかりしなくては!遅れをとりもどしたいですね。<新春講演会 挨拶する中村会頭 左手は寺脇文化部長>