「移送サービス」が心配

   市が社会福祉協議会に委託して実施している「移送サービス」が揺れています。移送サービスは、65歳以上の高齢者等で、公共の交通機関を利用することが困難な方に、居宅と医療機関等との送迎サービスをするものです。平成16年度決算で委託事業費は494万5千円。利用人員は延1,980名。送迎先は市内625件、市外1,355件。ともかく、「助かります」と涙される方がいるほど喜ばれているのです。千賀、堅子のように三交バスの来ない地域もある鳥羽市では、文字通り高齢者の生きる支えになっています。「笑顔と元気を運ぶ」№1鳥羽福祉サービスです。
  ところが、平成16年3月、国の道路運送法の改正によって、従来の形では実施が困難になったのです。様々な角度から検討を加え、新しいスタイルを考えださねばならないのです。しかも、今春がそのタイムリミット。しかし、情けないことに、未だに、社会福祉事務所はその結論を関係者に提示できないでいます。実は、昨年、「今後どうするつもりなのか。本当に困る人をどう救うのか、それを考えるのが役所の仕事ではないのか」という心配の声を受け、市は、関係者会議で現状を説明をしました。しかし、その後、会議は開かれず、いったい、皆の意見をどう検討したのか、さっぱりわからないままなのです。
  今日、その件で、社会福祉事務所に出向くと、「三交バスに委託して、ひだまりから市外の3病院まで送迎する。ひだまり迄は各自の責任で来てもらう」との案を検討中だというではありませんか。まったくお話にもなりません!ひだまり迄来るのが大変だからこそ、移送サービスがいるのでしょ!!おまけに、「これは市の事業であり、今後、関係会議が必要だとは思っていない」というのです。しかし、それも違うでしょ!「泣く高齢者が出てはお気の毒だ。みなで助けてあげないと」と、関係者は心配してくれているのです。礼を失する態度ではないのか。関係者の知恵を貸していただいたらどうなのか。そもそも福祉事務所が「従来のサービスは守る」という基本スタンスを明確にすれば、誰も心配などしないでしょうに。
  それにしても、市民の力を借りずして、福祉行政が行えるなどと思っているのでしょうか?これが不思議…。