聞いてびっくり!調べてびっくり!行者山の風力発電

聞いてびっくり!調べてびっくり!行者山の風力発電
「鳥羽の自然と環境を守る会」会から
各市議会議員宛に上申書が送付されてきました。
開封すると、行者山に「鳥羽ウインドファーム(株)」が
建設したいとしている風力発電にかかるものでした。


風力発電というと、誰もが環境にやさしい良いイメージをもつのではないでしょうか。
私もその一人でした。
ところが、送付された克明な資料を読み進むうちに
これは深刻な問題だ、と私は直感しました。


なぜかというと、
巨大な発電風車の建設ですから
安全面は言うに及ばず、様々な角度からの検討と
地元の理解を得ることが欠かせません。
しかし、それがなされていないのです。
落口地区にいたっては一度の説明会も開催されていません。
多数決で押し切っても
地権者や付近住民の不安は到底払拭できないのではないでしょうか。
賛成・反対以前の問題です。
ところがこんな現状にもかかわらず
業者は平成18年度の、国の新エネルギー事業者支援対策の補助金交付に応募したのです。
あまりの拙速ぶりではないでしょうか。
これでは、ますます住民は不安に陥ります。


業者は、建設したいというのであれば
安全問題や住民の不安に真摯に対応し
時間をかけて説明責任を果たすべきです。


さて、一番心配なのが建設場所の安全性です。
行者山は風化蛇紋岩の山で
地質や地層が非常に不安定です。
今回の風力発電建設に隣接するレストパーク(霊園)の道路のひどさ、
山の不安定な様子は、市民なら誰もが実感していることです。
実は、この上申書は、30年前にレストパーク建設に携わった土木技術者さん(地元船津の方)が
その危険性を痛感しているゆえに書かれたものなのです。読むとそら恐ろしい気がしてきます。
単に付近住民の方だけの問題ではありません。
行政と議会がしっかりした検討を加え、議論しなくては〜。
将来に禍根を残してはいけないのです。


資料によると…
・行者山の尾根に一基あたり出力3,000kWの
日本最大のもの3基が建設されます。
・タワーの高さは80m前後、風車の羽が到達する最高点は地上からは125m。
・風車の直径は90m。
・寺谷地区から行者山を見ると尾根に高圧送電の鉄塔が見えますが、
あれが30mですから、なんと鉄塔の4倍の高さです。
・風車の基礎は一基あたり鉄筋コンクリート4,000立方mで、
重量は約10,000トンにもなります。
・10,000トンの鉄筋コンクリートの塊が3個も軟弱な土質の山の上に乗ることになります。
・寺谷、落口地区の住民は、台風や大雨時の土石流や洪水、
地震による土砂崩れの危険におびえて暮らさなければなりません


このほか、伊勢志摩スカイラインからの景観の問題、渡り鳥ルート上にあたり、
クマタカオオタカなどが確認されていることなど
たくさんの問題があります。今後ご紹介していきます。
鳥羽市にとっていいことなのか、どうか、
ごいっしょに考えていただければ…と思います。
急遽、一般質問でも取り上げることにしました。