「伊勢・鳥羽の近代建築を探る」近畿文化会の臨地講座に学ぶ

川島智生先生のお話に、誇りと期待…でも苦い思いが突き上げてきて…

今日は、鳥羽小学校の見学に、遠く奈良・大阪から観光客が訪ずれてくれました。近畿文化会(近鉄が事務局)の臨地講座「伊勢・鳥羽の近代建築を探る」が行われたのです。神戸女学院大学講師の川島智生先生が講義してくださいました。鳥羽小の価値については兼ねてから注目してきましたが、専門家のお話を聞くのは初めてのこと。先生は、阪神大震災で戦後の建築物がどんどん倒壊した。そのなかで、持ちこたえ避難所にも使用された神戸の御影公会堂と兄弟のような鳥羽小であること。同じ清水栄二氏による設計で、この校舎のもつ意味は「半永久」的建築として建設された点にあると。今、こういう学校を保存し、美術館や地域の交流拠点に利用する動きが顕著である。京都芸術センター、京都学校歴史博物館(私も以前視察した)などのほかに、東京都でも、あの石原都知事でさえ今年度2校を保存するとのお話…。やっぱり、素晴らしい建築物だったのですネ。誇らしい思いでした。今後の活用しだいでは、鳥羽の新魅力にできるのではと期待が膨らみました。


 しかし、同時に、苦い思いが突き上げてきて…複雑な思いでした。誇りある校舎も、子どもたちの教育環境整備という角度でみれば最悪状態です。講堂は雨もりがひどく体育も満足にできない、壁のしっくいは落ちてもそのまま…。でも、それは、鳥羽小の建築物が悪いのではない!そのことが今日、改めてよく理解できました。メンテナンスを怠ってきたに市行政の怠慢だったのです!!議会が指摘しても、いつも、「お金がないから」という理由でメンテナンス費用を投入しなかった。学校の先生方は一生懸命ですが、それを支える行政(財政、総務部門でしょうネ)は、教育を大切にしているとはとても言えない現実が、今日も校舎のあちこちに現れ、本当に恥かしい思いでした。


 校舎を歩きながら 一昨日の一般質問での、市長や財政、行革の甘い考えに怒りが湧いてきました。鳥羽小の子らや親、先生方の積年の思いをわかっているのでしょうか。鳥羽小、弘道小、答志小体育館の建設に耐震化工事、教委はじめ各課の年次計画の達成を保障するのが、財政計画です。ところが、皆さん、鳥羽にはその計画がない!こんな市はありません。実施計画すらないなんて!どれだけ予算が必要かわからないのに、市民不在の集中改革プランで、市民サービスまで含め、ともかく切り下げればよいというお粗末さなのです。これまでの発想を抜本改革しないと駄目です!


 
<川島先生の明快な話しぶりに目からウロコ> 

「これはすごい学校だね〜」「当時、鳥羽はお金もちだったのね〜」
今日も、宇治山田駅舎や山田館、賓日館など、あちこちで勉強を重ねてみえる講座生の声。