議会総務常任委員会(9月27・28日)の視察レポート

財政健全化はまず市長の足元から
 今夜は議会総務常任委員会(9月27・28日)の視察レポートです。まず、大阪阪南市です。
 
阪南市役所前にて−市長さん、職員さんがごみ拾い、きれいでした〜>
(ところで、ちょっと私、傾いてるみたい?腰痛のせい…)

【大阪阪南市
1、視察目的
 岩室市長は、自治体は会社、市長は社長であるという考えのもとに、自治体運営(経営)を実施している。その徹底した取り組みは、NHKでも「自治体改革」として取り上げられ、話題を呼んだ。市民奉仕の原点に立つ市役所への改革、職員の意識改革が懸案事項である本市として、学ぶ点が多いと考え視察地に選んだ。また、阪南市は鳥羽志勢広域連合と同じように、独占禁止法違反のし尿処理施設談合の被害を受けた。同じ犠牲自治体だ。しかし、阪南市はちゃんと、談合にかかる損害賠償の予定条項(契約金の20%)を定めてあったため、賠償金を請求できるのだ。約20億円だから4億円が戻ってくることになる。これはすごい。この差はどこから生まれるのか。一般質問で、阪南市とも連絡をとって、賠償金請求に最善を尽くすよう要請した経過がある。これら、二つのテーマ、「財政健全化計画」と「損害賠償20%条項」について学んだ。
2、視察内容
 阪南市は文字通り大阪の南部で和歌山県堺の、人口約6万人。視察当日、「直接、私が、お答えしたい」と、市長から申し出をいただき、ホットなお話を聞く幸運を得た。こういうところにも、トップダウン方式が徹底している。市長は、顔写真入りの名札をつけて議会事務局の隣に座っていらしたので、市長と紹介されるまでは、説明担当の部長さんかと思いこんでいた私たちはびっくりした。市長のお話のなかで、印象に残った点を報告したい。
 市長は、現在、2期目で就任以来5年半が経つ。団体・政党の選挙推薦は受けない。どの議員とも等距離。選挙は一人で1軒1軒自分でチャイムを鳴らして訪問し、自分の信条を述べる。利害関係はいっさいなし。だからやりたいことがやれる。冠婚葬祭も夜の宴会もなし、だから、昼間、全力で働くことができる。政策論議は、すべての常任委員会の平場でする。市長が全委員会に出る。根回しはなし。
 平成13年当時、このまま推移すれば平成18年には赤字再建団体に転落する(し尿処理施設を建設すれば平成16年には赤字再建団体に)という危機感のもと、財政健全化に取り組んだ。財政健全化を成功させるためには、まず、市長自らが試される。自分の足元を削減する、それでなければ職員にも市民にも意気込みは伝わらない。弔電はなし、死亡届けのときに全市民に弔文を渡す。年45万円の削減。公用車廃止で1000万円削減、交際費は、前市長のときは2〜300万円だったものを27万円まで削減した。市長室は朝8時半から夜7時まで市民にオープン。市民の誰とでも自由に対話し、市長は説明責任を果たす。各課で市民の苦情に対応できない場合は、すべて市長室にまわし、市長が説明する。「健全化計画」の進行管理表をつくり、公募市民も入れた市民委員会がチェックする。
 退職者が多数でたにもかかわらず平成14年から16年までは職員採用なし(病院職員を除く)。どうすれば持続可能な自治体運営ができるか、正職員だけでは無理。市民を臨時職員として採用する。その際、ペーパーテストを実施し、市長が面接する、そして採用の優先順位を決める。臨時職員採用も市の人事部が実施する。ここが、鳥羽とは違う。鳥羽は、各課長が提出された履歴書を見て採用している。市長は「臨時職員も職員ですから当然です」と明快だ。また、臨時職員数についても毎年10%カットしている。しかし、鳥羽ではで臨時職員数については「健全化計画」で明確にされていない。
                             (明日へ続きます。あしからず)