美しい中部のみなとまちづくりフォーラム 

これからの公共事業は、地元の声にもとづき、地元も努力して行う
     マリンタウンニ期工事は国も慎重姿勢崩さず

21日、「美しい中部のみなとまちづくりフォーラム」が開催されました。国交省中部地方整備局や市、商工会議所などが主催しているものです。なかなか、面白いお話が聞けました。


パネリストのお一人、今年4月に三重県初の観光局長に就任した大森久さん。北勢に比べ、あまりにも南部が落ちこんいる。三重の海岸線は1100キロメートル。そのうち、伊勢二見から鬼ガ城までが950キロの黒潮海道。この地域を観光という視点で、地元と一体となって活性化していく、それが県の課題であると。役人らしからぬ(と言っては失礼かな)率直な物言いで、真正面からの姿勢が新鮮でした。飯南町出身で、6歳の頃、鳥羽の日和山で初めて海を見て広い世界に誘われた…なんて心憎いエピソードも披瀝されていました。


常滑商工会議所会頭が、カジノ誘致の強敵であった鳥羽市がトーンダウンし、ほっとしたと発言。これに応じ、中村幸昭商工会議所会頭は、「鳥羽はカジノは断念した。鳥羽商工会議所はカジノ賛否アンケートを実施した結果、女性部は圧倒的に反対だった。何事も、女性に従えば間違いなし」と。さすが、会頭!拍手を送りたかったですね。カジノにうつつを抜かしている場合じゃない。鳥羽にはミスマッチでしょ。


さて、会場から「駐車場がないので、ぜひ、マリンタウンニ期工事を国がしてほしい」と要望発言がありました。コーディネーターの名古屋産業大学の伊藤達雄名誉学長は、「マリンタウン事業はバブル真っ最中に国が先導した計画だ。いわば古い時代の手法。新しい公共事業は、地元の声にもとづき、地元も努力して行う、これが時代の流れであることを踏まえてほしい」と。核心部分のご指摘でした。


国交省港湾局の梅山和成振興課長も、「まず、第一期工事部分を活用をどうするのか、地元で議論してほしい」と、第ニ期工事の見通しは終始慎重な姿勢を崩さずでした。当然ですよね。100億円も公費をつぎ込んだ第一期でさえ、当初の土地利用はことごとく失敗、いまだに活用の目途が立っていないのですから。でも、課長さんは「マリンタウン計画当時、関係部署にいて責任を感じています。第一期の地元活用策には国も相談にのります」と。大いに力になっていただきましょう。


会場から、「菅島採石場があちこちの観光地から見えるのは残念だ。観光客をもてなす関係業者の接遇の向上と、観光地に暮らす市民として、こころの問題が大切では」と。市民ぐるみの「みなとまちづくり」です。貴重なご指摘と受けとめました。