タカ渡り調査結果と自然公園大会と…

8日間で248羽 行者山はタカ渡りの重要な飛行ルート 
 日本野鳥の会三重県支部が開催した「行者山タカ渡り観察会」、9月30日の私のバードウオッチング初体験はお伝えしたところです。雨のため、この日はタカは飛来しなかったのですが、会の皆さんは、その後もずっと、調査を続けてみえました。有難いことです。このたび、その調査結果を送っていただきましたので、中身を要約して紹介させていただきます。
調査方法=9月26日〜10月15日までの8日間、午前中、鳥羽消防署裏空き地で目視と双眼鏡、望遠鏡使用。
結果・考察=248羽のタカの渡りを観察。サシバは213羽。
      飛行ルートは3つに大別できた。
       A 消防署北側、相生山ピークから赤崎神社に至る稜線付近を通るもの
       B 消防署真上付近を通過して行者山北面に向かうもの
       C 南側加茂川沿い、加茂川右岸の山林上を南へ向かうもの。
      今年は、サシバの渡りのピークは10月9日で、119羽。ハチクマも同日で12羽を観察。
      行者山がタカ渡りの重要な飛行ルートであるこは疑いもない。
      タカ以外の鳥類の渡りも観察された。ヒヨドリは数羽から数百羽の群れを観察。
      キセキレイハクセキレイ、カケス、アマツバメなども観察。個体数の合計は2395羽。

 調査結果を受けて、昨日付け毎日新聞も、「8日間で248羽、飛行ルート実証」と大きく報道しました。「風力発電施設はタカのルートにあたり、慎重にしていただきたい。この場所は風力発電の建設にはふさわしくない」と、調査した西村泉県支部事務局長のコメントを伝えています。その通りですね。

会員さんが10月に観察された「ハチクマ」と「ノスリ」の雄姿です!行者山は野鳥の宝庫です。
                (本当はもっと魅力的なんですよ。いただいた写真を私が写し撮りしたため)

  
「ハチクマ」蜂の幼虫が大好物なタカです 


ノスリ」野原をスルように飛ぶタカです


第48回目の自然公園大会 鳥羽市の中世古太輔氏が環境大臣表彰を受賞 
 さて、今日は第48回目の自然公園大会が志摩市で開かれました。来賓の環境省の北川政務官は、「伊勢志摩が国立公園に指定されて60周年、皆さんの努力があってこそ、貴重な自然は守られてきた。美しい自然環境の保全にむけて、環境省はいっそう努力していきたい」と挨拶されました。野呂知事は「自然を守り育てる心が広がり、人と自然の共生がはかられるよう取り組んでいきたい」と。
 挨拶を聞きながら、風力発電建設の問題が頭をよぎりました。風力発電建設による甚大な自然破壊に、「果たしてそれでいいのか」と疑問を呈した「鳥羽の自然と環境を守る会」や地元町内会の運動、そして、「野鳥の会」の調査活動……こういう地道な活動こそ、自然保全に寄与する営みなのだと。行政は、まだまだ努力不足ではないかと。自然公園大会が、単なるセレモニーに終わってはいけない。
 そういう意味で、「環境大臣表彰」「三重県知事表彰」が行われるのは意義深いことです。全国の功労者が表彰されました。鳥羽市からも中世古太輔氏が大臣表彰を受賞されました〜。誇りです。動植物保護や植栽活動などを通じ、自然保護思想の普及啓発等に尽力された功績によるものです。
国立公園内に暮らす私たち伊勢志摩の住人、60周年を機に、自然の大切さをかみしめたい。