介護保険 皆さんがそれぞれの思いで…

介護の集いに60名 矛盾が現場に噴き出して…

 利用者、施設経営者、ケアマネ、ヘルパー、民生委員、老人会会長、ボラティア、障害者、看護師、介護の現状を知っておきたいという市民…幅広い方に参加していただきました。次つぎ椅子を継ぎ足して会場いっぱいの輪に。狭くて申しわけないぐらいでした。それほど、法改定の矛盾が噴き出しているのです。
 瀬古さんが共産党の「高齢者から介護とりあげをやめさせるための緊急要求」を基本に講演。公的な介護の後退をくいとめる共同を呼びかけました。その後、現場の実態や、こうすればよいのではという提案などが出されました。ともかく強烈だったのが、事業者さんや施設運営責任者の声でした。
 「介護保険料も利用料も値上げして、いかにも事業者が儲かっているように思われるているかもしれませんが、とんでもない。介護報酬が引き下げられ収入は40%もダウンした。食事代も300円しかもらってない。でも、利用者に笑って過ごしてもらえるのが支えでやっている」
 「ケアマネを持っていない事業所もある。送迎バスで一時間以上もかけて通所するお年寄りがいる。疲れてぐったりしてしまう。離島から本土に来る人が増え、車いすが乗らないほどの定期船もある。近くの事業所に通所できるように、ケアマネを鳥羽市が管理し調整をはかるようにならないのか」
 「伊勢の老健で働いている。居住費負担で今まで6万円の利用料だったのに3万円も値上げになり退所される方も出ている。6年かけて療養型施設をなくすというがそんな受皿は老健にはない。今でも夜勤50人に二人という体制。夜は医師もいないし救急で病院に連れて行く人がでると、後の一人ではとても無理。医療依存度の高い患者が多いのに、医療保険は使えず、高価な薬や治療は施設持ちだ。夜勤が終わっても仕事が続き帰れない。産休、育休でも代替職員の確保が難しい。私もケアマネもみんな燃え尽き症候群だ」……介護現場の矛盾、のりこえる努力、必死さがひしひしと伝わってきました。
 「介護や福祉のネットワークをつくったらどうか。医師会、ケアマネやヘルパーなどの交流会を」という提案もありました。行政は「こんな実態は初めて聞かしてもらった。これだけ制度が変わるとついていくのに役所も必死だ。実情を充分理解してとりくんでいきたい」発言しました。

 介護に精通された方も、制度そのものを知りたいという方もいらして、なかなか進行が大変でした。でも、今回は第一回目です。みんなの輪に育てていきたいです。
 「瀬古さんのお話で介護がどうひどくなったのか、具体的によくわかったわ」「おばあちゃんが世話になってる介護のことがよくわかった。やっぱり勉強せなあかんって思った」「ディサービスを利用中やけど施設は大変やったんやって初めて知った。よかったわ」という声が寄せられています。
離島はもちろん、長岡地区では交通の問題が切実など、各地域のニーズは様々です。瀬古さんの提案のように、地域ごとの介護の集い、みんなで考えあう場が大切です。
 鳥羽の介護保険をコーディネートしていくのは行政です。その役割をしっかり果たしていかねば。行政・関係者・市民が協力しあって、鳥羽のよりよい介護をめざしていく、その体制を行政がどうつくっていくのか。
介護の現状を確かめ合い、問題点を共有し、方向を定めていく、そんな介護の集いを、年に一度は開きたい〜と思いました。次回はシンポ形式でやりたいですね。参加された皆さん、本当にありがとうございました。