市が税の徴収権の消滅時効を是正

分割納付に応じている市民をこれ以上追い込んではいけない
 19日の全員協議会で「市税等の時効にかかる徴収について」市当局から報告がありました。
平成18年に津市(旧芸濃町)等で、徴収権の消滅時効の解釈に誤りがあったため、時効完成後も徴収を行っていたと問題になりました。(確か合併時に判明した)
 地方税法で、地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年間行使しないことによって、時効により消滅します。しかし、時効の中断及び停止も定めていて、納付又は納入に関する告知、督促など、債務の承認をすれば、時効は中断します。ところが、鳥羽市も、旧芸濃町のように、口頭での債務承認により時効が中断すると判断して徴収を続けていたのです。
 そこで、市は、昨年4月から調査を開始。その結果、平成13年〜平成17年までで約2824万円の誤徴収が判明したといいます。還付対象者は180人。還付対象金は、対象者の滞納に充当されます。充当金は約1947万円です。差し引き約876万円は対象者に還付されます。


 市は、納期内納付に努めている納税者にお詫びするとしていますが、きちんと納税していた市民としては割に合わない気分です。市がきちんと税法通り実施していれば、こんなことはありえなかったのです。

 
 でも、かといって、その反動で、誠実に分割納付に応じている市民をこれ以上追い込んではいけない。角を矯めて牛を殺すようなことをしてはいけない。
税金を払いたくても払えない、深刻な多重債務の問題が背景にあります。先日書いた奄美市に全国の自治体関係者が視察に殺到してるそうですが、我が鳥羽市も例外ではないのです。市民の暮らしと営業の現状が見えていますか? 滞納発生の原因を究明し、対応するのが自治体の税務課の仕事です。
 弁護士による多重債務相談なども実施して、市民を応援し納税に結び付けなくては。 サラ金に手を出す理由のほとんどが、生活苦、病気だといいます。それなら、行政の緊急貸付制度を創設すれば、納税率向上にも結びつくのではないでしょうか。市民の暮らし向きを把握し、総合的な対策を打つ必要があると思います。