自主財源の確保は市民の担税力の強化の方向で

一般質問報告 「市発注公共工事、物品物件の地元優先について」 
 ご報告がなかなかできなくて…。やっと、今日から続きです。
 
 さて、6月議会は、人口減対策、地域経済活性化、雇用拡大…を問題意識としてテーマを絞りました。乳幼児医療費助成拡大もその一つです。

 地方自治体の収入は、税や使用料、手数料、財産収入など、自治体が自主的に収入できる自主財源と、地方交付税や国庫支出金などの依存財源に区別できます。自主財源の割合が大きいほど、財政基盤は安定し、行政活動の自立性が確保できることになります。ですから、鳥羽市も自主財源をなんとか確保したいと一生懸命です。でも、気がかりなのはその方向です。
手数料負担を増やしたり、一般会計から特別会計への繰入金を減らしたり…、市民の生活実態に関係なく税徴収ばかりに目がいったり…。これでは根本策とはいえません。

 
 人口減を食い止め、地元経済を活性化し雇用を増やし、市民と地元企業の所得をあげる、担税力の強化こそ肝心要ではないのか。とても難しいことだけど、そこにこそ、目を向け地道な施策を重ねていくべきではないか…私はそう考えています。そのために、提案を続けています。

 
 質問した「市発注公共工事、物品物件の地元優先」は、市の懸案事項です。1年前の6月定例会での私の質問に対し、市長は「できるところは地元企業育成のために優先していきたい」と答弁しました。 そこで、どのように改善が図られたかを聞きましたが、結局、1月に市長が出席して、第1回検討会議を開いたにとどまり、具体的改善は新年度に間に合いませんでした。(年度節目に選挙もあってあわただしく、チェック追及できなかったのが悔しい!)
 そのために、環境課の委託業務で、昨年、初めて市外業者を参入させたため、死活問題となった市内業者が予定価格の49,7%で落札する事態が起きましたが、今年も48,5%落札で、半値以下の落札が連続しました。なんということでしょうか。
 
 
 市内に業者が3社あり、会計規則の3社以上の競争入札を充たしているのに、なぜ市外業者を入れる必要があるのか、その根拠は何かと迫りました。当局は答弁不能でした。
 他市はどうなのか。鳥羽市と同人口規模の尾鷲市や熊野市で聞きました。両市とも、市内で3業者揃った場合は、会計規則の条件を充たしているので市内のみで行うとしています。地元業者育成のためで、ずっとそのように実施してきたということです。
また、志摩市では、今年1月に委託業務について、人件費の占める部分の大きいものについては、最低制限価格を設けるよう見直しました。ダンピング防止のためです。鳥羽市でも、少なくとも、緊急にこういう対策がとれたはずなのです。


 環境課は、物品物件についても工事請負契約を準用したためだと説明してきました。しかし、平成15年見直しの条件付一般競争入札では、「市内に本店を有する業者」「最低制限価格70%」を取り決めているのです。また、同指名競争入札でも市内に支店を有する業者(準市内業者)を指名要件としてるのです。おかしいではありませんか。環境課の今回の入札は、まったく整合性がありません。説明責任が果たせていません。市は当然改善策をとらねばなりません。


《主な答弁内容》
鳥羽市物品物件指名競争入札等実施要綱を早急に策定する、指名基準に地理的条件を盛り込むとしました。(※物品物件とは、印刷製本の請負、物品の買入れ、物件の借入れ、業務委託契約等)
・僻地診療所医薬品については現在約1億5千万円を単価入札、それ以外の約1000万円を随意契約しています。その随意契約で地元業者はわずか1%。よく調べて地域の担税力強化の方向で検討するよう提案。健康福祉課は「「随意契約は市内優先に努めたい」
・物品物件について総務課長は「物品物件の随意契約は市内2社からの見積り入札にしたい」
・環境課の改善策について、「この場での答弁は控えたい」


※質問にあたって三重県商業統計を調べました。鳥羽市内の小売業の年間販売額がこの10年でどうなったか。平成8年には296億円だったのが、平成16年には183億円で、62,1%とほぼ4割減になっています。県下13市で最低でした。ちなみに尾鷲市80,5%、熊野市90,1%です。行政の援助と育成策で減少を食い止めている…私はそう感じました。産業育成は大変な仕事です。担当の農林商工観光課だけでなく、市各課あげてのとりくみが必要です。