図書整備費に使う340万円どこにきえたの?

 入札問題 市長も「異常事態だと認識している」と答弁
 今日は久々の休日で、娘や友人宅を訪問し和やかな気分で夜を過ごしてます。秋の虫の音が心地よい…。

 さて、一般質問のうち、入札問題と学校図書整備費についてご紹介しておきたいと思います。

【入札制度改革について】
■市内の土木建築業界は崩壊寸前です

 市内業者はいま「受注も地獄、しないのも地獄」と嘆いています。なぜか。鳥羽市公共工事発注が県下最低の「最低制限価格70%」に5年間も固定しているからです。
 10年前25億円あった市発注工事は昨年は6億5千万円と3分の1になりました。どうしても奪い合いになります。落札するため最低価格にみんな殺到します。特に今年度に入ってから、31件中27件、実に9割が3割引受注になりました。市が適正価格とした「予定価格」を3割も切るのですから赤字です。それでも、仕事を取らなければ従業員に給料が払えません。銀行も相手にしてくれません。泣く泣く赤字受注するのです。鳥羽のひどさは県下でも例がありません。まさに異常事態です。このままでは鳥羽の土木建築業界は崩壊してしまいます。
 私は質問に当たって、入札に参加したすべての業者宛にアンケートを送りました。6割の業者さんから回答が寄せられました。多くが瀕死の実態を訴え、改善を切望するものでした。「業界を救って下さい」と綴られているものさえありました。
 OKをくださった業者のかたと直接お会いもして、詳しく話を聞きました。私の予想をはるかに超える深刻な事態がそこにありました。
 私は議場で業者の皆さんが訴えられたナマの叫びをそのまま紹介し、市の即刻改善を求めました。
 ①業界が存亡をかけて行政に切望した最低制限価格85%に改めること。業界が公正だとする伊勢市方式を検討すること
 ②市内業者中心受注、共同企業体も市内業者組み合わせにすること
 ③格付け3区分を4ないし5ランクに細分化すること。
 ④総合評価方式にして公共工事の質の強化をはかること
 ⑤業界の実情をよく調査し、意見交換会を実施して要望を聞き取ること…を強く促しました。


■市長も「異常事態だと認識している」と答弁

 私の質問に対して木田市長は「議員の言われることを十分理解できます。異常な事態にあることは私も認識しております。血税を市民のために有効に使うことと、市内業者を守ることの両方をにらんで今後改善していきます」と答弁しました。
市長が「異常事態」とするような問題は滅多にありません。いかに深刻であるかを市自身が認識したのです。市長、総務課長とも、9月1日からの入札改善でよしとせず、さらなる改善をすると明言しました。私も今後とも改善を見守っていきたいと思っています。



学校図書整備費について】
■図書整備費に使う340万円どこにきえたの?
 鳥羽の学校図書費は県下全自治体のうち、熊野市に次ぐワースト2位のひどさです。子どもたちが読みたいのに、学校には満足に本がありません。そのため、鳥羽小をのぞく全校が父母から別途図書費を徴収さえしています。少ないところでも600円、多い学校では3600円。3人の児童のいる家庭では1万円を超します。子どものためとはいえ、苦しい家庭も少なくないのではないでしょうか。地域のリサイクルの売り上げ金を寄付してもらったり、地域の祭りにPTAが500個のコロッケを揚げ、それを販売して図書費を作っている学校すらあるのです。父母と先生の努力がなければ鳥羽市学校図書館は成り立たない現状にあります。


■全国も乏しい。だから国が特別予算を組みました

 全国も同じでした。そのため国は5年間で650億円、毎年130億円を学校図書を買いなさいと指示して地方自治体へお金をおろしました。鳥羽へは年間340万円、14年度から18年度までの5年間で総額1700万円です。ところが驚いたことに、市はただの1円もそれを学校へ渡しませんでした。学校図書費は13年度までと同額しか支出しなかったのです。私は全国学校図書協会に聞いて詳しく調べました。文科省から市へ来ている通達文書も入手しました。
 議場でその文書を示して「学校図書費の問題では法律にもとづいて平成14年から交付税が措置され、文科省から図書費に使うようにと通達がされてるのに、まったく予算を増額しなかった事実がある」と追及しました。これには市長もびっくりしたのでしょう。「国の通達を真摯に受け止め改善していきたい」と率直に反省。司書配置についても検討すると答弁しました。企画財政課長も「20年度当初予算で対処したい」と改善を約束しました。


■読みたい本を十分に…が大切ではないのか

 教育長は「小学校の図書冊数は国の基準の101%ある。全国水準は40%である。1人当たりの本代も増えている」と答弁をしました。私はもうびっくりしてしまいました。市から来る図書費と門野行之進さんのあいけい文庫基金合計額でも、県下の市町村まで含めて下から2番目の悪さなのです。図書購入費がないのに、なぜ蔵書冊数が全国の倍もあるのでしょうか。それは、よその学校では使い物にならない古い本を廃棄しますが、鳥羽は古くても廃棄せず使っているのです。ですから、図書費を増やさなくても冊数だけは基準を満たしているということなんです。また、父母の図書費やPTAの援助が市の予算を上回る額で支えているからです。
 私は各学校を訪問し、図書館を拝見してきました。古い本がいっぱいです。好きな本をみんなに存分に読ませてあげたい…痛切に思わずにはおれませんでした。朝の読書運動が全校で盛んです。子どもたちに落ち着きができてきたなど成果も生まれています。でも、図書が不足しほとんどの子が自宅から本をもってくるという学校すらありました。
 市長の母校なので加茂中を紹介してみました。熱心な取り組みのなかでなんと作家になりたいと言う生徒が各学年に2人もいるというのです。数学者になりたいという子もいるそうです。子どもたちの持っている才能、花開かせてやりたいではありませんか。私は議場で、市長、各課長に訴えました。市民の皆さん、いかが思われますか。