視察先の鳥羽にいかせる点にスポット

 今日は総務民生常任委員会視察をご報告します 

<視察テーマは「行政改革」と「自治基本条例」>
■視察日 1月16,17日    
■視察先 愛知県西尾市岐阜県多治見市・
■参加者 村山・木村・竹内・野村・坂倉(紀)・松井の各議員と戸上の7名。随行職員は行革副参事と議会事務局。
■費用 一人当たり24,600円(=交通費8,600円+宿泊費12,000円+日当2,000円×2日)。 今回の視察総費用は24,600円×9名分=221,400円でした。


<市役所の「おもてなしの心」に感激…>


西尾市「行革の計画性と実行力に脱帽」

西尾市役所前では、議会事務局長や担当課長など10名近くが玄関で出迎えてくれました。みんな笑顔で、なにかすごい覇気があるって感じ…です。えらい元気なまちだなあ〜、これはいい話しが聞けるかも…。会場に入ると、お茶菓子とお抹茶が運ばれてきて、びっくり。えっ、すごい〜と思っていると、説明員の企画課長さんが「西尾市は日本一の抹茶の里でございます。どうぞ、お抹茶で一服してください。そのあとお話しさせていただきます」。一昨年、道路に赤毛氈をひいて1万5千人の大茶会を催し、ギネスに正式認定。「おもてなし」のまちを、市役所自ら実践しているのだそうです。さすがです。「玄関で笑顔」の謎が解けました。行革でギスギス…かと思ったらそういう風でもない、余裕と明るさが伝わってきました。
 市の産業は、工業と農業。工業は?デンソーなど自動車関連産業、日本三大産地の一つの鋳物工業です。農業は抹茶(茶)のほか、洋ラン、植木、花きなどを生産。名古屋市の南東約40kmに位置する西三河南部の中心的な都市。人口11万人弱。6万石の城下町として栄え、本丸,丑寅櫓などが復元され、その歴史を今に伝えています。神社仏閣、史跡もあちこちにあり大切にされています。恵まれた環境ですが、それに安住していないところが立派です。


オンブズマン制度も力を発揮
■平成6年、西尾市は国に先がけて行革に取り組んできました。きっかけは市民から無駄遣いを指摘されたことだそうです。市民懇談会ができ、それが、現在では、自治体のオンブズマン制度、中立的な第三者機関 「西尾市行政評価委員会」制度に発展しています。この制度は、市民の苦情に対する市の処理について不満が残る事柄を、市民の申し立てに基づいて、市と市民の間に立って公正中立の立場で調査を行い、市に間違いがあれば、それを正しく直すように、申立人に代わって市に対して意見を述べる制度です。また、行政改革の監視・調査・公表についての評価を市長に報告し、意見を述べるほか、市の施策、市民の提言・要望等についても、必要に応じて意見を述べる役割を持っています。委員会は3名構成で教育者、弁護士、社会保険労務士など。
  企画課長さんは説明の中で「客観的に評価をしていただけることがありがたい」と強調しました。なるほど、「西尾市行財政改革推進計画」も、自ら行政のあり方を客観的に捉えて、緊張感があります。市税収入や市債借入額、市債残高、財政調整基金など財政数値は20年スパンで分析。今後の財政見通しと地震対策や学校建設など大型建設事業も明確にしています。きちんと羅針盤を持ち、そのように実行し、問題が生じれば分析し修正する。この計画性が鳥羽市には欠落していたのですー国に言われて今、ようやくです。少し財政状況を比較してみると、

西尾市】                 【鳥羽市
■財政力指数 1,16              ■0,56
■人口一人当たり地方債残高 237,493円   ■467,413円
■人口一人当たり人件費・物件費等104,417円 ■182,543
 西尾市地方交付税も不交付の財政力豊かな都市ですから、鳥羽市とは比較になりません。でも、これだけ豊かな市でも、市民ニーズと市発展のために、財政確保に必死になってることをあらわす数字です。
 

退職手当も計画的に積み立て
鳥羽市では退職手当基金が底をつき、借金して手当てを支給していますが、西尾市は「困ることはわかっていましたから平成6年から準備しました。基金はあと3年間は持ちますし、その後は毎年支払う財政見込みが立っています」と。いまさらながら、鳥羽市の致命傷「計画性」の甘さと欠落が悔しい。
鳥羽市が遅れている人事評価制度。職員の士気を高めるためには職員の能力を公平に評価し、処遇するシステムとバランスのとれた年齢構成をめざす計画的採用が大事だとしています。職員は3つの目標を持つ。途中、上司が複数でヒアリングし点数をつける。A〜FまででD以下だと職員審査会にかけ、指導等を行う。職員の能力と業績を公平・公正に評価し、給与を含む人事管理に反映し、やる気を引き出す。横並びの年功序列はない。鳥羽でもこうなれば真面目な職員さんのがんばりが報われるし、何よりも、それでなければ、市の将来が危うい。参考にしてほしいです。

ビルドする能力も重要に
■これからの行政改革の方向。これまで、財政的な改善は進めてきたが、歳出の一律カットが続くと全体の施策が劣化のおそれがある。市民サービスや将来の戦略が不充分ではなかったかと振り返り、今後はビルドする能力が重要だとしています。この点も大事です。
 

西尾市民の皆さんの中には異論もおありかと思いますが、私は鳥羽市が学ぶところにスポットをあててみました。