水際線の魅力と離島住民の利便性が一番!!

【マリンタウン特別委員会視察報告】
 <視察テーマは「マリンタウン事業」>
■視察日 1月22,23日    
■視察先 「開国下田みなと」(下田市)「白石マリンタウン」(伊東市
■参加者 尾崎、竹内、寺本、浜口、木下の各議員と私、戸上の6名。随行職員は建設課と議会事務局。
■費用 一人当たり41,400円(=交通費25,400円+宿泊費12,000円+日当2,000円×2日)。今回の視察総費用は41,400円×8名分=331,200円でした。
 
マリンターミナル設計予算が3月議会に…
     だけど!誰か待望してる市民はいるの?

 マリンターミナルビルの実施設計予算が3月議会に上程される見込みといいます。本当に仕方のないことなのか…地団駄を踏む思いです。離島住民から届くのは反対の声ばかり。建設費は総額4億3千万円程度で、そのうち市負担は3億円もかかるのです(もっと低く抑えるとはいってますが)。
  いくら、県と市がマリンタウン事業を推進してきたからといって、それによって離島住民の利便性が悪くなるなんて〜。やっぱり、おかしい。
  こんななか、マリンタウン特別委員会の視察に初めて参加しました。この目で実際に各地のマリンタウン事業を見たい、でも、同時に、すでに視察の段階でもないか…そんな焦りも感じつつ。 
 以下、報告しますが、収穫もありました。しかし、福祉や環境、行革など各自治体に共通する課題とは違って、マリンタウン港湾整備事業という特殊性からか、視察をどう鳥羽市に役立てるか、非常に難しいと感じました。
  委員会として、市民の疑問や意見を聞き、それに対応する活動が求められているのでは…、事業主体者である県に、疑問点を質すなど、錯綜する情報の共有が大事なのでは…など課題も見えてきました。
 
美しい水際線があってこそ〜人が集う 
       「白石マリンタウン」

「民間だ、民間誘致だ」と言葉が飛び交いますが、私は、一昔前の例の、「ばら色のマリンタウン21」パンフ以来、どうも、まゆつば状態で、この目で確かめないと信用できません。それに、第一期工事でできる新たな市有地はターミナル用地だけなのです。
  さて、成功例と言われる伊東市の「白石マリンタウン」はどんな施設だったでしょうかー。観光商業施設と温泉施設とポートセンターとマリーナでした。二見のシーパラダイスとよく似たイメージです。建物や店舗自体に特に特徴はありません。でも、観光客は年間220万人で賑わっているのです。
  なぜなのか。やはり、海の魅力、広がる水際線の魅力が人を集わせている…私自身、訪問客として体感する思いでした。また、海を見に立ち寄りたくなる感じです。海に向かって広々としたウッドデッキがあり、特に二階の展望デッキは海と一体化するような開放感があり、癒されます。防波堤を使った遊歩道400mの潮風散歩ができる「マリンロード」も素敵です。 
 
<バザール棟・スパ棟・ポートセンター棟>
 
<バザール棟の裏側が海。遊覧船が停泊。ほかはマリーナです。
マリーナは収益はあがるけど鳥羽だと手狭で景観が悪くなるでしょうね>


黒船ペリーの歴史と海で勝負
       道の駅「開国下田みなと

 下田市はマリンタウン事業ではなくて、昔からあった埋立地を活用して、「ベイシテージ下田」を建設しました。建設費は約31億5千万円。うち県補助8億円。下田湾に向かいあう形で建っています。4階建て。
1階ー海の交流館。漁協やJAの直売所。地元魚介類をいかした食堂。観光協会など。
2階ー開国や郷土関係のライブラリー。特別展示室、市民ギャラリー。
3階ー収蔵室。
4階ーハーバーミュージアム。「下田の魅力を知る」常設展示室。有料。下田開港ヒストリーや伊豆半島の生い立ちなど学べる。ガイドさんの説明もあり、素晴らしい。修学旅行や大学生、専門家の研究にも役立つ立派なもの。1千万円もかけて古書店で購入した昔の絵図や地図もある。歴史で勝負って感じです。会議室もあり。
  このほか県が隣接地に埋め立て整備した海遊公園と一帯で、道の駅「開国下田みなと」となっています。海遊公園は鳥羽のマリンタウン県緑地公園とは違い、砂浜もある親水公園です。運営は市直営でしたが、平成19年度より指定管理者制度に移行。観光協会や漁協、JAなどが株式会社をつくって管理者に。年間運営費用(収入ー支出)は約2000万円。


<歴史交流館と海の交流館をつなぐ二階の超広いウッドデッキ。人々の集う憩いの場。イベントもここで行う。黒船でペリーがやってきた下田湾が一望できる。潮風が心地よかった〜>

<1階の海の交流館>

<ハーバーミュージアム 下田の歴史を学ぶ>


水際線の魅力と離島住民の利便性が一番!!
 <視察で学んだこと>
 今、市にとって大事なことは、美しい水際線と離島住民の利便性の確保だと確信しました。そうすれば、仮にパールビル等に民間企業が進出しても、その制約と影響を受けることになります。
■美しい水際があってこそ人が集う魅力が生まれる。そこに人が立ちたくなるような景観、佐田浜地区もこれが大切。「かもめの散歩道」の延長線上のような美しさ、海を感じる心地よさ…。
■いずれも、離島の要素はなし。離島住民の生活支援拠点というのは鳥羽市独自の課題。しっかり位置づける必要がある。
■建築物は「海と潮風」を体感できるもの。窓は大きいガラス、ウッドデッキなどの工夫。
■いずれも「道の駅」。下田市の観光課課長さんは「道の駅」と冠したとたんに客が増えたと話した。参考にしたい。