16名が必死に審議する それこそ有権者の願いでは

市民のために主要な施策がいかに実現されたか、点検総括する場 
      予算にいかし、市の方向を決めていく 決算審議

 わずか、16名の全議員が必死に審議する市議会で、私は一人会派という理由で、決算特別委員になれません。
なんと、13年間も、市民代表の議員として、一度も決算審議に参加出来ないのです。
これは、有権者の皆さんの意志に沿ったことでしょうか?
こんなことを市民の皆さんは願っているのでしょうか?


16名の議員は選挙を通じて市民負託を受けます。
まったく平等の責任と権利が与えられるのです。


決算審議は、単に会計処理上のミスがなければよいというものではありません。一年間の財政支出の傾向をつかみ、市民のために主要な施策がいかに実現されたか。それを点検総括する場です。大きな視点から全体的な政策を議論していく。そして、その総括を予算につなげていかしていく。市の施策の方向を決めていく。
こんな重要な場で、全議員が必死に審議する。
それこそ、市民の皆さんの願うところなのではないでしょうか。


私は、一年間、市の施策実行状況と問題点、成果を見ています。市民の声も届きます。
それを、決算審議の場で発揮したいのです。そうでなければ、有権者に申し訳がないと思うのです。
そこで、私は、昨年、4期目初の決算特別委員会に向けて、議長に申し入れをしました。


■全文をご紹介します。

鳥羽市議会議長様 野村保夫様
       「無会派議員の決算特別委員取り扱いについての要望」           
             2007年11月22日 市議会議員 戸上幸子

 
 日夜の議長職務、大変ご苦労様でございます。
さて、今12月議会は決算議会として18年度の予算執行を慎重審議します。もちろん、本会議の一般公開と質疑において、全議員の発言の機会は保障されています。
 しかし、本会議はおのずと制約があり、すべての分野、項目について細部まで検証吟味することはできません。
 

 その権限が与えられているのが決算特別委員会です。委員は、事前の会派代表者会議で人選され、議長職権で指名されており、無会派議員は意志があっても立候補できません。
私は4期目ですが、無会派のため、過去、一度も決算委員にはなれない状況が続いています。オブザーバー参加は認められていますが、議論に自由に加わることはできません。
 

 このことは、多くの有権者にとっていぶかしく映っており、私のところにも「2番目にベテランの戸上議員が一度も決算委員になれないのはおかしい」との意見が多数寄せられています。
 こうした声に対し、議会会則、申し合わせは市民にとって妥当なものなのか、阻害理由はなになのか、議長及び議会の見解をお伺いし、市民の皆さんへの説明責任を果たしたいと考えています。
 

 そこで今回、私自身、みずからの意志として決算特別委員を希望し、議長に公文書をもって直接申し入れることにしました。しかるべき検討をしていただき、結果及びその理由を文書でご回答いただきますよう申し入れます。 なお、頂戴した文書、およびことの経過については市民の皆さんに公表することを付記しておきます。



■これに対する回答を全文ご紹介します。

戸上幸子議員
             平成19年11月30日  鳥羽市議会議長 野村保夫
       
 「無会派議員の決算特別委員会委員選任の取り扱いについて」

平成19年11月22日付けで要望のありましたみだしのことにつきまして、平成19年11月29日、会派代表者会で協議したところ、下記のとおりになりましたので回答します。

                 記
1、特別委員会の選任については、議会運営等申し合わせ事項の特別委員会(決算の審議)の2で、「構成員は各会派所属議員数の比率により案文し、これを各会派に割当て選出することを原則とする」となっている。この選出方法に特例として無会派議員を入れるとなると、会派所属議員は案文による一部の議員しか参加できないが、無会派議員は一人ですべて入れることになる。
2、無会派議員が増えてきた時の対応も考える必要がある。
3、鳥羽市議会は会派制が継続されており、この案文措置は継続すべきである。
以上の理由により、会派代表者会では、今回の要望だけで会派案文による選出方法を廃止することは見送りたいとの結論に達しました。
 今後、この件に関しては協議の場を設け、検討していきたいと考えております。


「この議会運営申し合わせは、市民にとって妥当なものか」との私の問への言及はありません。論点がヤヤずれていますが、回答は以上でした。
しかし、野村議長は、口頭でも、「29日の会派代表者会ではこういう結論であった。しかし、自分の議長任期中には協議の場で設けて結論を出したい」と言明したのです。これは重要なことでした。
その協議の場が、議会活性化委員会というわけです。



■■■さて、前段が長くなりましたが、19日の議会活性化検討委員会の結論は―。
 「16名で決算審議」が大勢を占める 次回委員会で方向を決める
委員会構成は議長、副議長と委員6名。
議長・副議長はまとめ役に徹した様子です。
委員6名中4名が、「わずか16名なのだから全議員が決算審議したらよいのではないか」と委員として意見表明。全議員審議が大勢を占めました。議論の末、結論として、各委員が会派に持ち帰り、次回の委員会で方向付けをする。そして、活性化検討委員会の内規に従って全員協議会に報告するということに。


ところで、委員には新人議員が2名が含まれています。フレッシュな市民感覚で議会活性化への元気な意見を期待して水を向けたのですが、なんと、委員としての意見はないとのこと。えっ〜! 有権者が傍聴してたら、さぞかし、がっくりだったでしょうね。そもそも、傍聴者がいたら意見なしはありえなかったでしょう。やっぱり、こういう委員会も市民公開しなくちゃ、それが一番の議会活性化。


さて、全議員審議は実現できるのか―。それとも、何かが阻害するのか…。
昨春の市議選で、議会活性化を切望された市民の皆さんに、今回の経過を公表する責任を私は感じています。