2つの市民請願が採択!!

 市民パワーに脱帽!傍聴席は笑顔でいっぱい!

議会閉会日の今日、2つの市民請願が採択されました。うれしい〜!
いずれの請願も、市民の皆さんの地道なご努力があってこその採択でした。すごいパワーに議会が突き動かされた感じです。脱帽です。「鳥羽の自然と環境を守る会」と「鳥羽小学校同窓会」、そして関係者の皆さんに心から敬意を表したいと思います。
請願採択が次つぎ決まると、二階の傍聴席は笑顔であふれました。今日の議会は素敵でした。鳥羽市議会も大したものですね〜。


 ◆行者山風力発電所建設に反対する決議
           ―「鳥羽の自然と環境を守る会」の請願を受けての決議―

 近年、地球温暖化防止策の一環として、風力発電の利用が世界的に進められている。わが国においても、政府は温室効果ガス削減のために風力発電の比率を高めるとして、各種規制の緩和はもとより、従来は原則禁止がされていた国立公園内への風力発電所建設の一部を認め始めた。
 しかし、そうした中、本市の船津町の行者山に風力発電所の建設に向けての事業申請の計画がされているとして、鳥羽市議会に対し、地元、特に行者山の麓の船津町寺谷、落口地区の住民を中心に建設に反対決議を求める請願が提出された。
 

 請願書は風力発電所建設反対の理由として、次のことを指摘している。
1、行者山は急傾斜な上に土質が非常に悪く、そこで森林伐採約8万?、土砂切取り約11万?もの土木工事を行うと、麓の寺谷、落口地区に甚大な土砂災害や水害を引き起こす危険があり、また、言われている東海地震等の際には建設地の土砂崩れ、山上の巨大風車とその基礎の転倒、落下、崩壊等の危険、落雷による二次災害や風車火災の際の山林への延焼等の恐れもある。
2、風力発電の風車の騒音や低周波音、巨大な風車を見上げる圧迫感、恐怖感によって、住民に心身の健康被害の発生する恐れがある。
3、風力発電所建設によって大規模な自然破壊が起こり、確認されているクマタカオオタカなどの希少鳥類の種の存続が危うくなり、サシバなどの渡り鳥などが風車に巻き込まれて命を落とす恐れもある。
4、巨大な風車が行者山の位置に建つことによって、伊勢志摩国立公園の「主要な景観」を著しく損なう。
5、資材搬入道路に使用される市道・船津霊園線584号は損傷が激しく、大型工事用車両の通行には耐えられないとし、また、入口付近には船津保育所があり、幼児の安全や保育環境も悪化する。
 

 などが請願の主な理由になっているが、これらの反対理由は安心安全を求めて生活をしている地元住民の立場からすれば当然の思いであり、また、この請願理由の内容が実に実態的で、かつデーター等に基づいた反対理由になっている点などから、非常に重みのある請願になっている。
 

 よって、鳥羽市議会は、地元住民が安心安全で暮らせる生活環境を守るため、鳥羽市の将来にわたって様々な問題点を残すことが十分に想定される行者山への風力発電所の建設に反対するものである。

 以上、決議する。

 平成20年6月24日                         鳥 羽 市 議 会



◆鳥羽小学校現校舎保全活用についての請願
                ―請願者 鳥羽小学校同窓会―

【請願趣旨】
 現校舎は三重県指定鳥羽城跡の中腹に建ち、教室から鳥羽湾や離島を望む伊勢志摩国立公園の中でも景勝地にあります。昭和4年、鳥羽町と広野藤右衛門・御木本幸吉始め全住民が力を合わせて建設した鉄筋コンクリート三階建で、大正から昭和初期のコンクリート建築としては三重県として唯一現存するものです。
 

 鳥羽市の近代化を伝える代表的公共建築物です。ゴシックスタイル・アーチ状の梁などヨーロッパ歴史様式や日本の最先端技術をみることもできます。
 海抜約26mに立地し、校舎の基礎は堅固な地面と崖の二面に固定され、柱・梁は太くて数が多く、平成元年の耐力度調査ではコンクリート強度・かぶり厚・中性化度等が極めて良好との結果です。また、関東大震災の教訓を生かした耐震構造です。
 

 構造学・文化財修復の専門家は、今回適切な対応を施せば100年単位で使い続けることができます。今では考えられないほどの第一級の建造物で何よりも構造がすばらしいので、新築の工事費とは比較にならないほどの費用で見違えるように立派によみがえらせることができますと述べています。
 

 学校周辺建物の多くは海抜1〜2m地帯にあり、東南海・南海地震の発生、津波の襲来など災害に備えて離島など鳥羽市全域の防災施設として是非とも必要な建築です。
 学校移転後は市民がふれあうコミュニティセンター、鳥羽市の歩みを示す郷土資料館、観光など活用方法を今から協議していただきたいです。


【請願事項】
次のことを早急に実現されますよう請願致します。
1 国の登録有形文化財への登録を早期に申請してください。
2 学校移転後の校舎の活用については、鳥羽市、市民、文化財保護・防災・都市計  画・観光施策等の専門家から広く意見をお聞きください。
3 当面、雨もり防止を最優先してください。