地域経済を守る緊急対策と4つの提案

最初の原稿をバサバサ削って、やっと一時間に…
 一般質問は、いつも、何が一番の課題なのか―、どんな提案が大事なのか―と考えます。
青空議会報告会で見聞きする各地の暮らしやご意見が役立ちます。市役所にいるだけではわからない生の市民情報に、ハッ、とさせられることも度々です。
さて、今回は2つのテーマ「景気悪化対策」と「花嫁対策と子育て支援」に絞りました。
持ち時間が答弁含めて一時間です。前回、時間不足だったので、今度は、最初準備した原稿をバサバサ削って削って、結局4分の1に。それで、やっとピッタリ収まりました。
 

「景気悪化による市内産業界の現状と市の対策は」


 今議会では、どうしても、この問題が避けて通れない、難しいテーマだけどチャレンジしようと決めました。鳥羽商工会議所の最新景況調査によれば、昨年対比で「悪化」と回答した事業所が7割を超し、過去5年間で最悪の事態です。事業所の縮小、倒産はそれだけに止まらず、労働者の雇用不安をもたらし、市民の暮らしと担税力後退にもつながります。地域経済と家計を守るために、市の認識と緊急対策、根本策、について質問しました。
 景気悪化が市内産業にどう影響しているのか。まず、私自身が知らなければ、そのレベルがわかりません。商工会議所各部会長さんを訪問し、まず現状を伺いました。業界のことが一番わかると思ったからです。他にも出来る限りお話を聞かせていただきました。
 いいところなどどこもありません。でも、必死に立ち向かい、乗り越えようと家庭、会社、組合一丸となって知恵を出し、努力されていました。この努力に行政も議会も応えなければならない、そう痛感しました。緊急策とともに根本策が問われていました。…………………


 部会長さんから伺った深刻な実態を、2、3紹介しますと
●食品部会ですが、バター不足。商品の注文があるのにその50パーしか製造できなかったそうです。設備も職員も整っているのにつくれない。30年商売していてこんなことは初めてだそうです。
●工業部会。親会社からの発注は軒並み20%減、50パー減の事業所もあるそうです。オイルショックや、バブル崩壊のときはまだ先が見えた。今はまったく見えない。こんな先の見えない時代は初めてだとおっしゃっていた。
●建設業部会。昨年比50%減。ある企業の受注高は昨年7億、今年4億、来年1億。この3年で7分の1にまで減ってしまいました。


 4つの提案をしました。
1、今ある産業振興審議会を、商業、工業分野を加えて補強し、機能させ活躍してもらうべきではないか。40人の委員を委嘱することができ大きな力になります。
【市長答弁】「十分検討して対処いたします」


2、まず市長、副市長、課長が産業各部会ごとに(商工会議所に未加入の方も含めて)会って、現状を聞くべきではないか。まず、そこから始まるのではと提案。
【市長答弁】「実行します」


3、中期、長期の産業振興基本政策です。三重県には産業振興基本条例があります。鳥羽にはありません。中小企業家同友会が、各自治体に制定を要請しています。自治体の宣言として中小企業を励まし、振興総合計画をみんなでつくるなど力を発揮します。いかがでしょうか。(市が策定したばかりの「観光基本戦略計画」の商業、工業、漁業、農業、観光業など「産業版」といえます)
【市長答弁】「県でも議会提案で制定しており本市も研究したい」


4、特産品のPRです。三重県広報の12月号が県のものづくり産業を特集しています。広報とばでも市民に広く知らせてはどうですか。市民みんなで地域産業を盛り立てる機運をつくることも大事な振興策のひとつです。部会長さんの話でヤマトタチバナがありました。明るい見通しがあるそうです。私のところへも全国の自治体から特産品のダイレクトメールが来ます。担当課でパンフ作ってください。私達議会も市民も鳥羽の特産品セールスマンになりますから。
【市長答弁】「鳥羽には誇るべき特産品がたくさんあります。さらに市あげてとりくんでいきたい」


市長が市民を守る決意を表明


 年末、市内の中小業者は資金繰りに四苦八苦しています。年末は耐えることができても、年度末に資金繰りのピークがくる会社も出てきます。長期返済など借りやすい融資が必要です。国、県の動きに市として即応し、可能な対応を全部してください。よろしいですか。
 

 不況は当然、雇用にも響きます。私、鳥羽のハローワークの求人を昨年対比で見てきました。4分の1に減っていました。三重労働局は3日、「緊急雇用対策本部」を設置しました。中小企業支援と雇用対策に全力を挙げる構えです。鳥羽市も全力をあげていただきたい。
【市長答弁】「市民が年を越せないことがあってはなりません。担当部局にしつかりやるよう指示したい」。