宇野港再開発視察報告

2万トン級大型客船 わずか年7回!
大型客船バース(−10m 長さ280m)総事業費45,6億円


 玉野市宇野港再開発事業への視察は本当に役立ちました。
というのも、鳥羽と同じ港湾整備事業を実施し、
すでに大型豪華客船が寄港できる10mバースが2年前に完成、
その活用効果を直接見聞することができたからです。
鳥羽の第二期工事のイメージがつかめたのは大収穫です。


 国、県は費用対効果の立場から、第一期工事の効果が上がらなければ第二期工事は困難としています。
これは私もまったくその通りだと思います。
しかし、一方で効果に期待を寄せる声もあります。
そこで、どれほどの効果が得られるのか。鳥羽市にどう役立つのか、プラスになるのか。
このチェックが議会の役割ということになります。
そもそものマリンタウン開始時と同じ轍を踏むわけにはいかないのです。


 さて、宇野港の場合は―。
初年の平成19年入港実績はわずか7回、20年も7回です。正直、これほど少ないとは思っていなかったので私も驚きました。(定員約600名)
しかも、そのうち、宇野港からの出港が半分もあるというのですから。
では、客船乗客は多くの経済効果をもたらしているのか。
その大半が倉敷美観地区など市外に流れ、いかに玉野市内観光をしてもらうかが課題ですと担当者は苦労を滲ませました。
実績数を伸ばすために2万トン級に海外の5千トン級客船の寄港などを入れ込み
なんとか合計20回程度にする努力をしていました。大変です。


 実は、再開発事業には前市長の強い思いいれがあったとのこと。
なんと計画ではスペイン村までつくる予定でしたが途中で中止。
近くの倉敷チボリ公園も閉鎖したばかり、中止して本当によかったですと。
前市長の姿勢に対して、議会・市民からハードよりソフト重視の時代だとの声が高まり新市長が誕生した経過があります。
新市長は公約通り、市民サービス優先の市政運営を行っているのだそうです。


宇野港再開発事業>
埋立地を見学。ともかく広〜い。手前側が大型豪華客船のバースです。
向こう側、ずっと400m先にJR宇野駅、国道があり賑わっていますがここからは視野に入りません。
前のビルは産業振興ビル。商工会議所、市商工観光課などが入っています。
その左手に見えるのが賑わい創出事業施設。
当初計画のツインタワーや音楽ホールは凍結。賑わい、華やかさはありません。
バラ色から超現実へ。いずこも同じか。不要不急の公共事業の最終章…。