「障がい者福祉計画」(第二期)スタートにあたってを一般質問

生活介護施設の創設は「計画通り実行する」市長答弁
    21,22年と進め、23年度で整備します

一般質問、「障がい者福祉計画」(第二期)スタートにあたって―
先々週の「幸子だより」に掲載したまま、ホームページへのアップを失念していました。


<質問を終えて>
「障害者計画」の質問は時間切れで準備していた半分を割愛しなければならず、とても残念でした。でも、事前調査で計画の全体像を学ぶことができたのは収穫でした。行政の各種計画は絵に描いた餅に終わることが少なくありません。ネックは財源です。関係者の心配の声もあがっていました。「計画通り実行する」という市長の答弁は力強いものでした。


私の調査範囲では、生活介護施設が未整備なのは、14市中、鳥羽市のほか、熊野市、尾鷲市です(※尾鷲市介護保険施設を高齢の障害者が利用)。熊野市の担当者も「本市も生活介護施設の創設が課題なのですが…」と渇望していました。小さな市であっても、重度の障害者が故郷で住み続けるようにしたいです。
 この計画が全面的に実現され、さらなる拡充も生み出し、障害者と家族、関係者の希望となることを願ってやみません。


<質問の要点をご報告します> 
100年に一度といわれる不況は鳥羽市民の暮らしを直撃しています。なかでも障害をお持ちの皆さんにとって、本当に大変な日々が続いています。地方自治法第1条は、地方自治体の役割を「住民の福祉の増進を図ること」と定めています。市民全体の福祉の向上、なかでも弱い立場である障害者福祉に、こういう時期だからこそいっそう市役所は全力をあげなければなりません。


 いま、鳥羽市には何人の障害者がいらっしゃるか。1297名です。身体障害者は1105人、知的障害者は151人、精神障害者が41人。市民18人に一人が障害者です。この5年間で実に406人増えました。行政に抜本的な障害者対策を迫る増え方です。
 障害者の福祉をどのように進めるのか。その基本を決めたのが「障害者福祉計画」というものです。この4月から第2期の3カ年計画がスタートしました。自治体の障害者施策を、中長期的視野で計画的に推進する大変重要なものです。


 私の友人も重度の障害のあるお子さんを介護しています。先日も日赤にお見舞いにいってきました。本当に血のにじむようなご苦労でがんばってみえます。鳥羽の障害者福祉は、このような障害者とその家族のたゆまぬご努力と、施設職員さん、社協やボランティアの皆さんなど、多くの関係者によって推進されてきました。私は、その取り組みに心から敬意を表しつつ、障害者が地域でいきいきと安心して暮らせるまちをめざすために、今、何が必要か。計画スタートに伴う諸点について質問します。


■まず、1点目です。計画は「生活介護サービス事業所の創設」をうたっています。現在、鳥羽市にはないため、市民の皆さんもイメージがわきません。どういうものですか。
≪答弁 重度の障害者の入浴、食事、創作活動を提供する施設です≫
■つまり、もっとも重い障害をもった方を支える。鳥羽の福祉の根っこになる施設です。鳥羽市にはないため、明和や玉城のなでしこや宮の里に通所しなければならなかった。待望の生活介護施設です。創設までのタイムスケジュール、立地場所、多機能の具体的な中身、家族など関係者の意見反映など、その具体的計画はどうですか。
≪答弁 重度の身体障害者生活介護サービスに加え、重度の知的障害者の日中活動サービスを併設した多機能型を想定しています。21、22年度とすすめ23年度で整備します≫


■先日、志摩市社会福祉協議会が運営する生活介護施設「きらり」を視察してきました。志摩市には、同様の施設が2か所あり、その一つです。
ちょうど、職員さんがおやつを作っていました。車いすで過ごすことができる方たちがその回りを囲んでいます。その隣のコーナーでは、より重度の障害者がベッドですごしています。看護師さんの呼びかけに嬉嬉とした反応をします。重い障害者が家に閉じこもらず社会参加して毎日を愉快にすごす。こういう場が鳥羽市内に絶対必要だと改めて実感しました。 せっかくできた計画が絵に描いた餅になったり、遅れたりすることがあってはいけない。そのために、一番大事なのが行政の財政確保です。そう痛感して帰ってきました。
 そこで、市長にお聞きします。市長ご自身、社協の会長として福祉の先頭に立ってみえましたので、その必要性は十分ご承知のことと思います。ご見解とご決意のほど、いかがでしょうか。
≪答弁 必要な施設として認識しています。計画通り実行していきたい≫


■次に2点目です。障害者と家族にとって、やはり、いつでも、気軽に相談をかけることができる窓口に、専門知識を備えた担当者がいることが非常に切実です。相談体制の充実について現状はどうなっていますか。
≪答弁 相談支援事業を社協に委託し精神障害福祉士も配置いたします≫
■7月から3月までの相談件数は何件で、相談者は何名ですか。また、どのような成果が出ていますか。
≪答弁 286件の相談件数があり、さまざまなサービス利用の成果がありました≫
■私自身、あしたばや海の子を訪問した際、この相談支援によって利用につながった例を見聞きし、本当にうれしく思いました。なかには、中学校を卒業してからずっと家で過ごしていた30代の方が、昨年から施設に週3回通所されるようになり、社会参加することで非常に元気になられたという例もありました。これまではここにこんな施設があるという情報紹介だけでした。でも、相談員が「同行」するようになって成果があがっています。潜在的なニーズを掘り起こし社会参加して心豊かに暮らしてただく、計画の要にかかわることです。


■つぎに3点目、障害のある方にとって、安心して暮らせるバリアフリーの住宅環境は切実なものです。持ち家で自宅を改造できる場合は別として、古い公営住宅やアパートに入居されてる方や、親御さんが高齢になり一人暮らしになるケースもあります。そこで、建設予定の幸丘リバーサイド3棟目の障害者また高齢者住宅としての位置づけについて聞きます。建設計画の進捗状況と具体的検討内容はどうなっています
≪答弁 22年度建設26戸中8戸をバリアフリーに予定しています ≫
身体障害者だけでなく、軽度の知的障害者も、福祉のサポートを受けて居住できるか検討してほしい。8戸ということですが、十分、ニーズ把握をして、健康福祉課が積極的に活用提案していく姿勢が大事です。


■最後に社会参加について教育長に質問します。特別支援教育が本格化されました。小中学校への通学手段の確保が切実な課題となっています。学校通学は社会参加の基本です。本市は特に離島があり、坂手、菅島、桃取は定期船で東中に通学しなければなりません。当然、親はそこまで付き添えません。また、離島だけでなく、勤務のため通学の介助が困難な父母もいます。市としての支援策が必要です。教育委員会はこの現状をどう受止め、改善をするつもりですか。
≪答弁 支援の必要な通学生徒が20名おり、内サポートの必要な5名について行政としてきちんと支援してまいりたい≫
■改善は評価します。しかし、すでに、昨年4月に、桃取小から東中に進学する該当児童がいました。それからすれば、一年も遅いです。今後は迅速に対応をするよう、強く指摘して私の質問を終わります。