質疑の趣旨と答弁のご報告 1

第5次総合計画、コンサル委託でいいのでしょうか


 いよいよ7月です。
私の質疑の趣旨と答弁をご報告します。予算特別委員会が設置されましたがケーブルテレビ放映はされていませんし、委員長報告も省略していますので、市民の皆さんにとって切実な問題についての質疑を心がけました。


■まず、一番は総合計画策定の予算についてです。皆さん、市に「総合計画」というものがあるのをご存知でしょうか。地方自治法第2条は、市町村に対して基本構想策定を義務付け、地方自治体の業務は基本構想に即して行わなければならないと規定しています。いわば、総合計画と実施計画はマニフェストです。現在の第4次後期計画は、冒頭、「総合計画はまちの設計図」だと書いています。設計図に基づき向こう10年間をかけて新しい鳥羽市をつくりあげていく重要なものですから、設計図づくりには市民と議会、職員の3者が一体となって関わらなければなりません。ところが、これまでわたしたち議会にはいっさい説明がなく、いきなり、予算が計上されました。


 不安になりました。策定しなければならないという義務感だけで、なるべく簡単に仕上げる、そして、市民も議会も追認だけで済ます、そんなことになったら大変です。
その基本姿勢と方法についても、議会に事前に説明すべきですし、意見も反映するべきではなかったのか。総合計画策定の基本的観点と姿勢、どんなプロセスで進めていくのか。何のためにコンサルへ委託するか。なぜ、職員ではできないのか。聞きました。


≪答弁≫第5次総合計画は23年度から10年間の鳥羽市まちづくりの最上位計画です。委託の業務内容はプロポーザルを実施して総合計画のノウハウを持つ民間業者を選定します。アンケート調査の実施、計画の構成や骨格の構成に関する業務、事務事業のたな卸し、市民参画のファシリテーター機能など予定しています。本年度の業務分として658万9000円、債務負担行為として441万円であわせて1126万9000円です。
 職員による総合計画策定は可能と考えています。しかし、専任職員が2〜3名必要となってきます。職員削減に努めているところなので委託したいと考えています。


■職員で可能なら、その体制を整えるべきです。有能な職員を配置し、他を臨時職員で対応すればいいのではないか。1千万円もあれば十分可能です。コンサル委託で全国どこでも同じような金太郎飴的計画だとの指摘もあります。では、職員の自力で策定している事例を検討しましたか。
≪答弁≫検討していません。しかし、人員を増やすことは難しい。


■職員でできるのに検討しないのはおかしいではないですか。北海道の栗山町、人口1万4千人、6千世帯、職員数171人です。ここでは、住民と議会、職員が計画を作り上げました。栗山町役場に電話を入れて聞くと「えっ、コンサルへですか」とびっくりしていました。コンサルに頼んでしまうから職員の知恵も出てこない。新しい発想でまちづくり、職員の意欲をかきたてることを省いてしまうのは非常に残念です。木田市政二期目で市民の期待は高まっています。市長のご見解は。
≪答弁≫予算は組みましたがもう少し議論して考えていきたいと思います。


<質問を終えて>
■総合計画の中身はまさに職員の毎日の仕事の中身です。漁業、農業、観光など産業分野、教育や児童福祉、まちづくり、防災、それぞれで検証して職員自らがやりがいがあると思える計画をつくれば、もっと、市役所は活気づく思うのです。たとえつたない文章であったとしても、自分たちの言葉で作り上げることに意義があるのでは。 
議会の議論となり、委託業務の精査と見直し、三重大との連携の促進などの方向が出たことは一歩前進でした。