生物多様性って?実は鳥羽の漁業・観光・消費者に直結してる…

「藻場造成」―時代の先端をいく鳥羽漁協と市水産研究所
  私たちの里海・伊勢湾の生物多様性を高める干潟・藻場再生 加速させたい!


 生物多様性シンポの続きです。
鳥羽磯部漁協答志支所青壮年部の橋本さんが「若者が育む海の森づくり」と題して報告。
以前にも紹介しましたが、コンクリート投入による漁礁づくりではなく、漁業者自らが自然石にアラメを植え付けダイビング資格をとって海に沈め、まさに手作りで「藻場造成(再生)」を実現した取り組みです。今年の天皇杯受賞の栄誉に輝きました。


生の報告は聞くのは私は初めて。平成5年に答志島の伊勢湾側のアラメが消失してしまった。するとアワビが激減した。なんとかしなくては。平成17年から市水産研究所の支援を得て藻場造成にチャレンジした。失敗を乗り越え3年がかりで技術を完成。漁師さんというのは意外なほど淡々とした説明だったのですが、中身はすごい。じ〜んときました。
まさに時代の先端をいく研究実践を鳥羽市(水産研究所)はやっていたのですね。すでに近隣の漁業者にも広がっています。素晴らしいではありませんか。


 志摩市で英虞湾再生に尽力している真珠養殖業者の原条さんは、再生によって生物は50種から600種に増えた。生物多様性の高い海は豊かな海、漁師にとっては儲かる海なのだと。
その通りですね!鳥羽にとっても、漁業、観光、そして私たち魚大好き消費者に直結した問題です。


 「特に伊勢湾で水質の悪化に起因する赤潮や貧酸素水塊の発生による生物や漁業資源の減少など生物多様性保全上の課題が深刻」(環境省パンフ)として開かれたシンポ。漁師さんたちが大勢詰めかけました。
難しいテーマですが一歩が始まっています。行政・議会としては、それを加速し拡大させる、これが仕事ですね。


今年10月に生物多様性条約の第10回締約国会議(cop10)が名古屋で開かれます。大きな機運にしていきたいですね。


<「つながり」をテーマに各界代表が生物多様性シンポ>